毎年、世界中で数百の映画祭が行われると言われています。「国際映画祭」として有名なところでは【ヴェネチア】【カンヌ】【ベルリン】の3大映画祭、また【ロカルノ】【サン・セバスチャン】【ロッテルダム】【ミュンヘン】【ニューヨーク】そして【モントリオール】【サンダンス】等々がありますが、数ある国際映画祭の中でも、やっぱり歴史、質、華やかさ、知名度、注目度すべての点において【カンヌ国際映画祭】は他を一歩リードしていると言えます。
世界最大の映画祭、カンヌ国際映画祭は独特です。そもそもイタリア、ムッソリーニのヴェネチア国際映画祭に対抗し、フランス政府の援助のもとに始まりました。しかし、1939年に開催予定だった第1回は、結局戦争のために46年に延びることとなります。その後も、会場設備の問題などから48年、50年と中止が相次ぐなど当初は混乱も見られましたが、51年からは映画祭としての環境が整備され、世界最大の国際映画祭へと成長していきました。
賞の対象となるのは、コンペティション部門に出品された作品のみです。コンペティションは、映画の芸術と産業の双方に貢献しています。審査するのは、映画祭事務局によって選出された著名な映画人や文化人で、この審査団がどのような作品を選んでくるかが、この賞の最大の面白味なのです。
また、世界最大の所以は、映画祭と併行して行われる批評家週間と映画監督週間にあります。前者は62年から新人監督の作品を、後者は69年から世界中の映画監督の作品を、映画ジャーナリストたちに公開しています。
68年にはパリの五月革命に呼応したゴダール監督らの実力行使により中止に追い込まれるといった事件が起きたり、ほかにも79年には、審査委員長を務めた作家フランソワーズ・サガンから“審査に実行委員会から圧力がかかった”と衝撃発言が飛び出すなどカンヌはスキャンダルにも事欠きません。むしろ、様々なスキャンダルとともに成長してきた映画祭とも言えます。毎年春の映画祭開催時期、南フランスの小さな観光都市カンヌは映画一色となります。
毎年5月に開催され、開催期間中は、午前8時から午後4時頃まで試写が行われます。以前は大賞を「グランプリ」と呼んでいましたが、最近では「パルム・ドール(大賞)」が最優秀作品賞、その下位の賞として「グランプリ(銀賞)」が授与されるようになりました。
そこで、その歴史・経緯はもとより、第1回から現在に至るまでの主要部門の受賞作品・受賞者の一覧など「カンヌ国際映画祭のすべて」を掲載します。
カンヌ国際映画祭主要部門(パルムドール・グランプリ・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・脚本賞等)の受賞一覧です。